雫石イマーシブ物語:秋珈琲編drop1~奇妙なチケット~

岩手県盛岡市の隣町、雫石町を夫婦で旅する物語。5日間だけ町民になってプチ観光旅行をお楽しみ頂きます。旅のお供は軽トラ”虹色号”とノーコードアプリ”しずったー”。町民お手製の軽トラとアプリで雫石を没入体験!

プロローグ

「イマーシブ急便でぇす」

先日申し込んだ旅のチケット。ただの紙切れチケットだと思っていたけど、玄関で受け取った荷物は箱だった。

「チケットなのに大げさだなぁ・・・」

と思いながら開封してみると一酸化炭素濃度計と雫石観光協会お手製の取扱説明書が一枚。説明書の裏には「インストールしてイマーシブをタップ」という一文が添えられていた”旅のお供のしずったーQRコード”が印刷されていた。と、玄関の扉が開いた。妻が仕事から帰ってきたのだ。廊下に佇む僕と目が合い見つめ合うこと数秒、

「これってQRコード読むしかないよね」

「なんのことよ?」

「例の旅のチケットなんだけどさ」

旅の説明なんてどこにもない。もちろん、ネット申し込みの時点で注意事項は読んでいたし、僕らが申し込んだ「軽トラとしずったーで巡る雫石秋珈琲5日間の旅」の概要も知っていた。小さなワクワクが散りばめられた田舎町没入ツアー。ツアーなのにガイドもいないし終始自由行動なのが気軽で良いし、地味そうだけど色濃い雫石の体験ができそうなこのプランを選んだ。

奇妙なチケット

小さな町の観光協会からの届き物。怪しむ必要はないよね、ということでQRコードを読み込んでみた。すると、スマホアプリストアが開き”しずったー”をダウンロードするように促された。とりあえず僕のスマホに”しずったー”をインストールして開くと「裏ガイドブック”しずったー”で雫石を遊び尽くせ!」という文字が目に入った。緑の大地の奥にそびえる岩手山が背景画像。とても美しく雄大だ。

あなたの軽トラは 「虹色号」です

※イメージ画像(参考リンク:https://shizutter.com/

「きれいな山ね、雪化粧も素敵なんだろうなぁ」

画面下の”イマーシブ”というボタンをタップしてみた。そこには「一酸化炭素濃度計の裏をご覧ください。5日間一緒に過ごす軽トラの名前が書かれています。この一酸化炭素濃度計を持って雫石町にお越しください。雫石駅舎2階のcafe七番線スタッフがお待ちしております!」と書かれていた。

「”虹色号”って軽トラらしいよ。なんか手作りって感じ」

「でもって田舎って感じね」

と僕と彼女は軽く微笑んだ。過度なエンターテインメントは僕たち夫婦には肌に合わなくて、なんとなく田舎でのんびりノビノビできる旅がしたかった。”イマーシブ”をタップした先には5日間の”雫石イマーシブ物語”のスケジュールが詰め込まれていた。

・・・drop2へ

※この物語は雫石町を舞台にしたフィクションです。実在しないモノもございますm(_ _)m

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アプリ開発はコミュニティ系を得意としています

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